税務申告をしないとどうなる?ペナルティや対策について解説
所得税の確定申告や相続税の申告、事業者による法人税申告など、いずれの税務申告も期限内に正しく行わなければなりません。もし申告をしなかったり誤った申告をしたりすると、追加の税金を支払うことになります。
こうした経済的な罰則がどのように適用されるのか、どの程度の負担を強いられるのか、ペナルティの概要と対策を確認していきましょう。
税務申告のペナルティが適用される範囲
所得税・法人税・消費税・贈与税・相続税など、税務申告が求められる場面では、適切に申告へ対応しなければペナルティを受けてしまいます。
ペナルティの対象となるのは事業者だけではなく、一般の方も変わりありません。
《 一般の方が対象となるケース 》
- 給与以外に副業収入があり確定申告が必要だったが申告しなかった
- 不動産を売却して利益が出たが申告しなかった
- 相続税の申告が必要だったが期限を過ぎた など
《 事業者が対象となるケース 》
- 個人事業主として確定申告をしなかった、または税額を少なく申告した
- 法人としての決算申告を期限内に行わなかった
- 従業員から預かった源泉所得税を期限内に納付しなかった など
これらのケースに該当すると、税負担が追加で発生する可能性があります。
申告しないと「無申告加算税」
期限までに申告をしなかった場合に課されるのが「無申告加算税」です。
これは申告義務を果たさなかったことに対する経済的な制裁として設けられており、本来納めるべきだった税額に対して一定の割合を上乗せして徴収されます。
税額の規模によって負担割合が変動し、高額になるほど重いペナルティとなる仕組みをとっています。
元々納付すべき税額 | 加算される負担割合 |
|---|---|
50万円以下の部分 | 15% |
50万円超300万円以下の部分 | 20% |
300万円超の部分 | 30% |
ただし、自主的に期限後申告を行うと次のように税率を軽減してもらえる措置も用意されています。
- 税務調査の通知後、更正を求められる前に自主申告した・・・10%に軽減
- 税務調査の通知前に自主申告した・・・5%に軽減
- 期限から1ヶ月以内に自主申告した・・・免除
そのため気づいた時点で早く対応することがリスク軽減におけるポイントとなります。
申告した税額が少ないと「過少申告加算税」
期限内に申告を行ったものの計算ミス等により申告した税額が実際より少ないと、「過少申告加算税」が課されます。
《 過少申告加算税の基本的な仕組み 》
- 追加で納める税額の「10%」が加算
- 追加税額が「期限内申告税額または50万円のいずれか多い金額」を超えるとき、超過分にはさらに5%加算される
ただし、税務調査の通知を受ける前に自ら間違いに気づき修正申告を行えば加算はありません。
悪質なケースには「重加算税」
意図的に収入を隠したり、架空の経費を計上するなど、事実を隠蔽したり偽装したりした場合には、通常の加算税に代えて特に負担の重い「重加算税」が適用されます。
適用されるケース | 加算される負担割合 |
|---|---|
申告はしたが税額を意図的に少なく伝えた | 35% |
申告自体行わず隠蔽・偽装をはたらいた | 40% |
なお、過去5年以内に無申告加算税や重加算税を課されたことがある場合には追加でさらに10%が上乗せされます。
納付が遅れると「延滞税」
加算税とは別に、税金の納付が遅れた期間に応じて「延滞税」も発生します。こちらは借金に対する利息をイメージすると良いでしょう。
負担の大きさは「納期限から2ヶ月以内の対応で『年2.4%程度』」「納期限から2ヶ月経過後の対応で『年8.7%程度』」ですが、金融市場で決まる金利に応じて変動するため具体的な金額を算出するなら最新情報をチェックする必要があります。
ペナルティを避ける・軽減するための対策
税務申告のペナルティを避けるには次のポイントを押さえておくことが大切です。
- 申告期限をカレンダーに記入するなどリマインドできるように備え、余裕を持って準備に取り掛かる
- 収入や経費などの記録を日常的につけておく
- 不明点は税理士に相談して確認しておく
- 申告漏れに気づいたら、バレずにやり過ごすことを考えず自主的に修正申告を行う
加算税あるいは延滞税が課されるケースであっても、早めに対処することを意識しましょう。早く正しい税務申告に対応することが、ペナルティの負担を軽減するために効果的です。
※「正当な理由」により免除されることもある |
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正しく申告できなかったことに対し「正当な理由(納税者自身の責任とはいえない事情があり、ペナルティを課すことが不当といえるケース)」があるときは、例外規定により加算税が免除される。 具体的には、災害や病気等、やむを得ない事情で申告できなかった場合など。判断は個別の事案ごとに行われる。 |
正確な計算、適切な手続きに自信のない方は、専門家にご相談ください。










