住宅ローン控除とは?確定申告に必要な書類も併せて解説
住宅ローン控除とは、マイホームの新築等で組んだ住宅ローンの残高に応じて所得税額を控除できる仕組みのことです。
これから住宅ローンの契約をしようと考えている方や、すでにローンを持っている方はぜひ知っておきたい控除制度です。どんな要件を満たす必要があるのか、どんな書類を準備しないといけないのか、当記事では住宅ローン控除を利用する上で知っておきたい基礎知識を紹介していきます。
住宅ローン控除とは
「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」とは、マイホームの新築や取得、あるいは増改築を理由に組んだ住宅ローンについて、その残高をもとに算出される金額を所得税額から控除できる仕組みのことです。
控除できるのは、住宅ローンの年末残高に一定の割合を乗じた金額です。ただし控除限度額が定められていますので、年末残高が非常に大きな場合でも控除できる額は一定のところで頭打ちとなります。
それでも20万円や30万円程度の税額控除が受けられる、効果の大きな制度ですので、要件を満たす場面であればぜひ利用しておきたい制度です。
住宅ローン控除の種類と適用要件
住宅ローン控除にはいくつか種類があり、それぞれ要件、控除額なども異なります。
例えば次の5つに区分することができます。
- 住宅の新築または新築住宅を取得したときの住宅ローン控除
- 買取再販住宅を取得したときの住宅ローン控除
- 中古住宅を取得したときの住宅ローン控除
- 増改築等をしたときの住宅ローン控除
- 要耐震改修住宅を取得し、耐震改修を行ったときの住宅ローン控除
①と②の場合、居住し始めた年や住宅の性能に応じて、借入限度額は2,000万円~5,000万円、控除期間は10年間~13年間と定められています。控除率については一律で0.7%で、所得2,000万円以下であることや床面積が50㎡以上であることが要件となっています。また、控除限度額も14万円~35万円と定められています。
③の場合、借入限度額は2,000万円または3,000万円。控除期間は一律10年間と定められています。控除率や所得および床面積の適用要件は①と②同様です。ただし控除限度額は14万円~21万円と定められています。
④と⑤の場合、借入限度額は2,000万円で、控除率、所得および床面積の適用要件は①②③同様。控除限度額は14万円です。
住宅ローン控除の適用を受けるための手続
住宅ローン控除の適用を受けるには、確定申告に合わせて所定の手続を行う必要があります。自動で勝手に控除が適用されるわけではありませんので注意しましょう。
また、初年とその翌年以降で必要な手続が異なります。給与所得者でも初年は確定申告書を作成して、必要書類を添付して税務署に提出する必要がありますが、翌年以降は年末調整を行うだけで控除の適用を受けることができます。
必要書類
必要書類として、少なくとも次の書類・資料は準備しないといけません。
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅の全部事項証明書
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書
- 売買契約書または工事請負契約など、取得等の対価の額を証明する書類
他にも住宅ローン控除の種類によって追加で求められる書類がいろいろあります。
例えば「認定長期優良住宅」や「低炭素建築物」「特定エネルギー消費性能向上住宅」などの区分別でそれぞれ必要な書類が違います。
認定長期優良住宅であれば、都道府県または市区町村等からの「認定通知書」の写しと、「住宅用家屋証明書」または建築士等が発行する「認定長期優良住宅建築証明書」などが必要になります。
状況に応じて準備内容が変わってきますので、税理士など住宅ローン控除に詳しい専門家に事情を伝えて、何が必要なのか、何をしないといけないのか、そもそも住宅ローン控除の適用は受けられるのか、といったことを聞いておくと良いでしょう。