配偶者居住権と配偶者短期居住権とは
配偶者居住権の創設は、被相続人の配偶者の居住権の保護を図るための方策として打ち出されました。配偶者居住権は大別すると遺産分割が終了するまでの短期間のものである配偶者短期居住権と配偶者がある程度の長期間にわたって住み続けることができる長期間のものである配偶者居住権に分けることができます。
■配偶者短期居住権
配偶者短期居住権は、相続開始時に被相続人が所有していた建物に無償で居住していた場合に、相続開始の時から6か月が経過する日までの間、または遺産分割協議によってその建物の権利をどの相続人が相続するのか確定するまで、その建物を継続して無償で利用し続けられるものをいいます。
■配偶者居住権
配偶者居住権は、被相続人の配偶者が被相続人所有の建物に居住していた場合に、その建物に終身または一定の期間にわたって、無償で住み続けることができる権利のことをいいます。この権利は、被相続人の遺言によって遺贈することもできます。配偶者に自分の死後も住み続けてほしいと考えている場合は、遺贈等で配偶者居住権を渡すことが好ましい場合もあります。
多くの場合、相続財産の大半を占めるのは不動産となります。そのため、配偶者居住権の新設前は、被相続人と住んでいた建物を相続した配偶者が、その他の遺産を相続することが難しくなり、金銭的に困窮することが多発していました。しかし、今回の相続法改正によって建物の権利を配偶者居住権と負担付所有権に分けることによって、建物の評価額を下げることで、より多くの遺産を配偶者が相続することができるようになりました。
配偶者居住権は今回の改正で新設された権利です。改正法の施行は平成31年7月1日からとなります。配偶者居住権について興味がある方や、なにかご不明な点がある方は当事務所までご相談ください。
中務総合マネジメントサポートでは、「配偶者居住権」や「配偶者短期居住権」などの「相続法の改正」に関するご相談を承っております。また「相続」に関する全般のご相談も承っております。なにか「相続」に関するご相談がございましたら、当事務所までご相談ください。ご相談者さまの個別のニーズに合わせた最適なご提案をいたします。