確定申告の方法とは? 申告期間や確定申告書の入手方法・提出方法を解説
確定申告は、確定申告書をはじめとしたいくつかの必要書類を作成し、その他の添付資料を用意、それらを提出する、というのが大まかな一連の流れになります。
ここでは確定申告の方法として、申告期間・必要な書類・確定申告書の入手方法・提出方法について解説していきます。
確定申告の期間
確定申告できる期間は、納付申告または還付申告によって異なります。
- 納付申告 2月16日から3月15日
- 還付申告 1月1日から5年間
主に個人事業主やフリーランスの人が行う納付申告は、2月16日から3月15日までの1ヶ月の間に提出する必要があります。それに対して、納めた税金が戻ってくる還付申告の提出については、期限が長く設定されており、1月1日から5年の間申告が可能です。
確定申告に必要なもの
確定申告を行う際、一般的に必要なものとして以下が挙げられます。
- 確定申告書(確定申告書A、もしくは確定申告書B)
- 所得を証明できる書類
- 控除証明書
- 本人確認書
まずは確定申告書が必要です。そして確定申告書には「A」と「B」の2つの様式があり、申告する所得の内容によって提出するべき様式が異なります。
確定申告書Aは、給与所得や雑所得、公的年金の申告に使用します。つまり、会社員やパート・アルバイトで給与をもらっている人、年金を受給している人が対象です。
これに対して確定申告書Bは、事業所得や不動産所得、配当所得、譲渡所得、利子所得の申告に使用します。つまり、自営業やフリーランスなどで事業所得のある人、不動産所得のある人が対象です。
このように、申告したい所得の内容によって、提出するべき確定申告書が異なるため、どちらの様式を提出するのか事前に確認を行う必要があります。
また、確定申告書に加えて所得を証明する書類の提出も必要です。こちらも所得の内容によって異なります。例えば事業所得の場合、青色申告の人は青色申告決算書、白色申告の人は収支内訳書が必要です。給与所得の場合だと、源泉徴収票、不動産所得の場合は売買契約書などが証明書類に該当します。
さらに、控除証明書も添付が必要です。医療費控除の場合は医療費控除の明細書、住宅ローン控除の場合は売買契約書や住民票、登記事項証明書など、受けたい控除の証明となるものを添付します。
確定申告書の入手方法
確定申告書の入手方法は以下のようにいろいろあります。
- 税務署や確定申告相談会場で受け取る
- 市町村役場で受け取る
- 税務署から郵送で受け取る
- 国税庁のウェブサイトからダウンロードする
- 確定申告書作成コーナーで作成後、出力する
- 会計ソフトを利用する
税務署や市町村役場に取りに行く他、国税局のWebサイトでダウンロードする方法もあります。
会計ソフトを利用している場合は、必要事項が自動的に計算・入力して出力できます。
さらには税務署の確定申告書作成コーナーで作成した後に出力する方法もあります。
確定申告書の提出方法
確定申告書の提出方法としては
- 税務署へ持参する
- 税務署へ郵送する
- 電子申告する
という3つの方法があります。それぞれにつき詳細を説明していきます。
税務署へ持参する
税務署へ直接持って行く場合、申告書類や添付書類一式を持参し、管轄の税務署へ提出します。初めて確定申告する際は、管轄の税務署を国税局のWebサイトを利用し、確認してから行くようにしましょう。
税務署が開庁しているのは、基本的に平日の8時30分から17時までです。平日の夜間や土曜日・日曜日・祝日は閉庁していますが、時間外収受箱が設置されているためそこに投函して提出することもできます。
開庁時間に担当者に提出すると、控えの方の申告書に収受日付印を押されます。このとき必要な申告書類が揃っているかを確認してもらえます。受付担当者が簡単に提出書類を確認してくれるため、初めて確定申告する人や不安な人でも安心して提出できるでしょう。これは、この方法で提出するときの大きなメリットでもあります。ただし、申告書の内容までは確認してもらえません。収受日付印を押してもらっても、内容に誤りがある場合は後日連絡がくるため、気を抜かないようにしましょう。
デメリットとしては、確定申告の時期は、税務署は混雑していることが多く、待ち時間が長くなってしまう可能性があるということが挙げられます。また、自宅や事業所から税務署が遠い場合には手間も大きくなってしまいます。これらを懸念する場合は、次に紹介する方法を検討してみると良いでしょう。
税務署へ郵送する
必要書類一式を管轄の税務署へ申告書類を郵送することも認められています。
確定申告書の控えが必要な場合には、返信用封筒に住所と氏名を記載し、切手を貼ったものを同封しましょう。
普通郵便やレターパックなどを利用して送りますが、このとき簡易書留にしておくと追跡が可能であるため安心です。
なお、提出期限当日の消印も有効です。
税務署が遠い場合、直接行くよりも手間や時間がかかりませんが郵送代が数百円発生します。そのため、自宅や事業所の近くに税務署がある場合には持参する方法のほうが費用は小さくなることもあります。
電子申告する
最後に電子申告についてです。この場合、マイナンバーカードとICカードリーダーを用意した上で、e-Taxを利用して提出します。
24時間いつでもどこでも提出できるのが最大のメリットです。インターネット環境の整った場所であれば、自宅からでも事業所からでも申告できるため、わざわざ税務署へ出向いたり郵送のために郵便局へ行ったりする必要はなくなります。日々の業務で忙しい人にとっては特にメリットが大きいと言えるでしょう。
また、青色申告をする人にとっては、申告書を持参したり郵送したりする方法よりも、「青色申告特別控除」の金額が大きくなります。そのため、より大きな節税効果を得るためにも電子申告が望ましいと言えます。
デメリットとしては、マイナンバーカードを発行しなくてはならないこと、ICカードリーダーを購入しなくてはならないことが挙げられます。ただし、これらは初めて電子申告する年に用意してしまえば翌年以降も引き続き使えるため、初めの年だけ負担にはなりますがそれ以降は費用の心配をする必要がありません。
以上の3つが確定申告の提出方法です。それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、それらも含めて総合的に判断し、自分に一番合った方法で申告を行いましょう。
初めて申告する人にとっては難しいこともありますが、一度経験してしまえばそれ以降はほとんど同じ作業なのでそれほど負担には感じないでしょう。