個人事業主が法人化するメリット・デメリット
法人化とは、個人事業主が株式会社や合同会社などの法人を設立し、事業を法人に変更することを指します。法人化・法人成りには、節税効果などの様々なメリットがあります。近年、会社設立の際の最低資本金制限が撤廃されたこと、役員数の規制も緩和されたことを受け、多くの個人事業主様が法人化・法人成りを行い、そのメリットを享受しています。この記事では、法人化のメリットについてご説明します。
■節税効果
役員報酬の一定金額を必要経費とみなし、所得から控除するという給与所得控除を利用することや、会社が経費とみなすことができる支出の増加、欠損金を最大10年繰越すことができる繰越控除などを法人の場合は利用することができ、節税を行うことができます。
■有限責任にできる
個人事業主の場合、無限責任を経営者は負ってしまいます。しかし、法人成りの際に、株式会社や合同会社となることを選択した場合は、有限責任を経営者は負うことになります。無限責任の場合、会社が倒産してしまった場合には、負債を全額経営者本人が返済しなければなりませんが、有限責任の場合は、出資の範囲内で返済をするのみで済みますので、経営者が過剰なリスクを負わずに済みます。
■決算月を任意に決めることができる
個人事業主の場合は、原則3月15日に決算を行う必要があります。しかし、法人化・法人成りをした会社の場合、任意に決算月を決めることができます。これによって、忙しい時期に決算のための準備をせずに済むようになります。
一方で、法人化には以下のようなデメリットがあることにも注意しなければなりません。
■事務的な負担の増加
法人化すると、個人事業主であったころよりも、会計・税務の面での事務的な負担が増大します。また、法人税申告書などの書類作成を税理士に依頼することも必要になりますので、その面でも負担がかかります。
■設立時に法人登記費用が必要
法人化の際の手続きに費用が掛かります。株式会社であれば20~25万円、合同会社であれば10万円程度の費用が必要です。
■従業員の社会保険や労働保険の負担が必要
法人化すると、健康保険料+厚生年金保険料の支払いが必要になり、費用負担が増加するというデメリットも存在します。
法人化には、メリット・デメリットの両方が存在します。メリット・デメリットを比較衡量して、会社にとって最善の選択をしていく必要があります。
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